2022年 JCSフォーカスアップデート版
安定冠動脈疾患の診断と治療

第86回日本循環器学会学術集会(JCS2022)において、「2022年JCSガイドラインフォーカスアップデート版 安定冠動脈疾患の診断と治療」が新たに発表されました1
本ガイドラインの主な改訂点として 、安定冠動脈疾患に対する適切な検査選択の実施・診断精度の向上のため、 まずは検査前確率(PTP:Pre Test Probability)と臨床的尤度(CL:Clinical Likelihood)を用いた評価が推奨 されています(推奨クラスI・エビデンスレベルA)。
また検査前確率が中等度の場合、非侵襲的な画像検査として、冠動脈CTまたは機能的イメージングによる冠動脈疾患の診断およびリスク評価が推奨されています(推奨クラスI・エビデンスレベルA)。

冠動脈CTの所見で結論が得られない場合には、次の補完的な検査としてFFR-CTが機能的イメージングと同じ位置づけで推奨されています(推奨クラスIIa・エビデンスレベルB)。

FFR-CTに関する言及
  1. 血行再建を行う意義のある機能的有意狭窄を検出する新たな非侵襲的検査法
  2. 多枝病変例における虚血の原因となりうる冠動脈の決定に有効
  3. CCTAにFFR-CTを追加することで特異度・陽性的中率・診断精度が向上
  4. LMCA病変や多枝病変に対してハートチームカンファレンスに役立つ可能性
  5. CCTAまたはFFR-CTでAd hoc PCI 前に解剖学的リスクと病変の複雑さを評価

REFERENCES

  1. 2022年JCSガイドラインフォーカスアップデート版 安定冠動脈疾患の診断と治療

163332783 v1