FFRCT検査向け冠動脈 CTプロトコル

  • FFRCT向け冠動脈CT撮影はSCCTガイドラインに準拠しています。
  • FFRCTは疾患エリアの情報だけではなく、冠動脈ツリー全体の正確なモデリングから計測されます(冠動脈ツリー全体で適した画質が必要となります)。
  • SCCTガイドラインの推奨に基づいて撮影と再構成されたcCTA の最適データが、FFRCT の最適CTデータとなります。
  • 最適なCTデータ取得はFFRCTの能⼒を引き出す必須事項です。


患者選択

【下記対象患者およびデータは FFRCT 解析を行う事ができません】

  • 心臓バイパス手術を施行した患者
  • 金属ステント解析不可要件に該当
  • 複雑な先天性心疾患の患者 (1.5mm以上の瘻孔もこの条件に合致します)
  • 過去30⽇以内に⼼筋梗塞を発症した患者
  • モーション補正アルゴリズムを使⽤して再構成したデータ
  • その他、保険請求の対象患者に関してはFFRCT適正使⽤指針もご参照ください。

【金属ステント解析不可要件】

  • 左主幹部にステントを有する
  • 左主幹部に30%以上の狭窄 + 左冠動脈にステントを有する
  • LAD, LCX, RCAのうち2つ以上にステントを有する
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Ct-protocol-1b
Ct-protocol-1c

【下記対象患者は FFRCT 解析の安全性と効果の検証が行われていません】

  • 急性冠症候群の疑い(急性⼼筋梗塞や不安定狭⼼症疑いを含む)
  • 急性胸痛(突発性)、⼼原性ショック、⾎圧が不安定で収縮期⾎圧が 90 mmHg 未満、重症うっ⾎性⼼不全 (NYHA III またはIV)または急性肺⽔腫を含む、継続中または活動性の臨床的不安定性の兆候を有する、もしくは緊急処置を要する患者
  • ⼼臓ペースメーカーや除細動リード植込を施⾏した患者
  • ⼈⼯⼼臓弁を有する患者
  • CT撮像を妨げる不整脈や頻脈のある患者
  • ⾼度⽯灰化病変を有する患者
  • BMI >35の患者
  • 硝酸塩禁忌の患者

検査前準備

【スキャン前】

  • βブロッカーによる心拍数のコントロール (SCCTガイドライン2016: 目標心拍数 < 60)
  • 硝酸塩薬使用
    (SCCTガイドライン2016: 5分前の舌下スプレー 2噴霧推奨)

硝酸塩薬投与量による、内腔モデルとFFRCT値への影響 (Holmes et al. European Radiology 2019)

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撮影

  • レトロスペクティブ/プロスペクティブ撮影どちらも利用可能です
  • 造影剤使用、撮影線量はご施設の通常プロトコルに準じてください
    (* 70kvなどの低線量撮影を実施されている場合はご相談ください)

後処理

【範囲】

  • 範囲: 気管分岐部下部から心臓下限を覆う範囲(X軸で12-16cm程度)

【再構成】

  • 下壁が欠けないよう、心臓全体を含めてください。
  • 不整脈に対してECG編集を利用可能です。
  • 可能であれば最適心位相に加えて、複数フェーズのデータをハートフローへ送ってください。(最適心位相±5-10%など)
  • 1 シリーズに1フェーズを保存してください。(1シリーズにマルチフェーズを含むデータを送信希望の場合は、弊社までご相談下さい)
  • FOV < 25.5 cm
  • スライス厚 < 1mm (スライス厚 1mmのデータは受け取れません)
  • モーション補正アルゴリズムを使用したデータはFFRCT 計測を行えません。
  • 右冠動脈にモーション等のアーチファクトがあり左冠動脈は解析可能な画質である場合、左冠動脈のみ
    FFRCT解析を行うことが可能です。(右冠動脈が解析不能かつ、左冠動脈にステントがある場合は解析できません)
  • ハートフローはCT 画像: CT Imaging (SOP Class UID 1.2.840.10008.5.1.4.1.1.2) の DICOMデータを受け取ることが可能です。

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